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最終更新日:2019年10月28日

2016年9月19日

障害者はゲームでどう描かれてきたか

※現在は障害者の表記に「障がい(碍)者」という書き方も用いられていますが、言葉自体は同じという観点から、この記事では「障害者」に統一しています。

2016年7月26日、障害者施設で戦後最悪と言われる大量殺人事件が発生しました。あらかじめ障害者のみをターゲットにした「ヘイトクライム」であることは明白ですが、多くの人が指摘していたように、現在の日本社会でそういった蛮行を容認するような空気が大きくなりつつあることは、残念ながら事実と言えるでしょう。そんな中で、エンターテイメントには一体何ができるのか。ゲームの中で描かれる障害者像について、私は過去に考察したことがあるのですが、この機会に今一度、同じテーマを考えてみたいと思います。無論、いいとか悪いとかをここで判断しきれるものではなく、今後どのようにしていくべきか?を考える一助になればと望みます。

ルーンファクトリー:多様性の物語の可能性

近年は、政策の一環として「ダイバーシティ」という言葉をよく聞きます。「多様性」という意味で、いろんな国籍・民族はもちろん、年齢や性別、障害の有無や性的マイノリティーなど様々な属性を持つ人々の共存を指す文脈で使われます。(念のため注記すると、なにかの「街」のことではありません。英語ではdiversityで一語です。)世界ではスタンダードになってきている思想ですが、閉鎖的な日本社会で多様性を認める考え方が定着するのは、世の中の動向を見る限りまだ先になりそうです。

そこで私が推したいのは、歴史ある牧場物語シリーズの外伝である「ルーンファクトリー」シリーズ(マーベラスAQL)です。農作業や酪農をして町の中で暮らしていくという本流の育成シミュレーションの形を継承しつつ、ファンタジー世界を舞台としてRPG要素を加えた作品です。私はルーンファクトリー3から初めてプレイして、後に1、2、4とオーシャンズもプレイしました。私個人の感想としては、3からかなり明確に「多様性の共存」を真正面から描いている優れた作品だと思いました。